11.23.23:09
|
05.12.23:59
プレイ終了いたしましたです。
なんとも名残惜しい終わりですが、終わったものは終わったのですよ。 車輪を越えそうな勢いでの伏線と緻密な設定。 圧巻でした。 ではまぁ、総合評価からいきましょうか。10段階評価で。 物語→12(11) キャラ→10 萌え→3 音楽→5 CG美麗→8 文章→7(10) ()とついているのもは、人によってはみたいな感じです。 んじゃまぁ、各ルートいきましょうか。 ネタバレというか、ネタバレです。 共通ルート。 物語において、一応核となる部分の話。 主人公、巽策は、自分を落ちこぼれと思っていた。 というのも、主人公の家系、『巽』家は代々から芸術面において世界のトップクラスに座していたのだ。 その中で育ってきた策であったが、彼には何も才能が見つからなかった。 どれだけ苦労しようと、自分の才能を発揮することは出来なかった。 そんなある日、巽家が招集され、ある命令を下される。 「巽の誰かが、ある町へと行かなければならない」 策は自ら志願し、逃げるようにして巽家を抜け出し、その街へと行くことになる。 これが、物語の始まりだ。 向こうの町に付き、自分の家へと入る。 が、そこにいたのは、自らを策の嫁だと名乗る正ヒロイン「唯井ふたみ」だった。 納得できない主人公を横目に、彼女はそのまま通していく。 学園には「天文委員会」というものがある。部活でなくて、委員会だ。 それは、100年に一度行われるという「照日菜」という行事のためであった。 照日菜とは、この町の夜をいつだって覆いつくす雲を晴らすという、生徒たちの行事であった。 それは十二支の順に12人の生徒が挑戦していく。 そしてヒロインは双子座。前の照日菜が失敗に終わり、ヒロインの番が回ってくる。 彼女の照日菜とは、「ある童話を再現すること」であった。 この街、「空明市(こうみょうし)」には、「空明の里」という場所がある。 そこは、いつになっても見れない星空を見たいという市民の願いが込められた場所だった。 天文学で知られている星の位置に柱を立て、空から見れば星空に見えるという。 そしてそこには、この100年に一度のペースで「テレ雪」というのが舞う。 雪ではないが、それは空気よりも軽く、淡い赤色に染まる雪。 それを雲に見立て、ヒロインはほうきでそれを掃いていく。 それが彼女の照日菜だった。 そこから多々の伏線が張られていき、序盤の物語は進む。 ふたみルート評価。 物語の核となる話。照日菜が何であるのか、この街の真実とは何なのか、などを語る。 十二子や八卦などの話を使いまわしながら、真実へと近づいていく。照日菜が何たるか、巽の存在が何たるかが明らかになる。 ふたみの家との戦闘などは必見。男性キャラカッコいい。 動き出す本当の照日菜。定められない善悪。消えうせる希望。 そして策が彼女を救い出す。 自らを「武器」と変え。 世界を喰らう「狼」を殺す体と成れ。 各ルートの中で一番文章が難解。 宗家分家などの関係や、照日菜の歴史などなど、設定においての緻密さが目立つ。 戦闘シーンがカッコよく、無理の無い戦闘がいい。 ラストはなかなか感動的だが、若干納得できない感あり。 まさに愛の物語とも言うべき。恐ろしいほど緻密な設定を見せ付けられる。 桜守城此芽ルート評価。 ふたみルートとは逆、主人公の過去や、裏で起こっている暗躍する計画の話。 魔術師が登場し、ファンタジー性が強い。ワルキューレ伝説を主体としている。 姉妹の関係、主人公との過去、そしてふたみの家系との因縁。 命は共に彼と在り、一時すら破られなかった「婚姻」の約束。 しかしそれは命をむさぼり、時を喰らい、地位を犯した。 崇拝された神に言う。 「我が娘に、お前以外の神の祝福を」 ここが本当の真実となる。 主人公の過去や、此芽の交わした契約。記憶の矛盾など、伏線の使い方が上手い部分。 魔術戦が繰り広げられ、ワルキューレ伝説の言葉が多々使用され、カッコいい。 ラストは、桜守城家の真実が明かされると共に、その傍若無人な計画を止める。 様々な人間関係が垣間見られるいい話だ。 明日宿傘ルート評価。 物語のif、つまり「もしも」パターンの話。ふたみを守ることを選ばず、傘姉を選んだ場合の話。 明日宿家の殺戮行動。唯井家への因縁と、照日菜の本当の目的の全面阻止。 傘姉の本当のやりたいこととは何か、巽家との間柄は。 使命を成せ。殺せ、止めろ、殺戮の限りを尽くせ。 そして許されない罪を負い、それを許せ。 自らを犠牲にする彼女に捧ぐ言葉。「幸せに、なれ」 3つのルートの中では、話は一番薄いが、戦闘が一番多い。 もしもの話であるので、なかなか残酷な結末が迎えられようとしていた。描写もグロイ。 これは今までの「物語」というより、「傘姉さん」個人の話と言っても良い。 ラストは、傘姉さんを屈服させる。 背負った罪は重しども、支える彼がいてこそ終わる罰。 戦闘シーンが多いので、見ごたえあり。 まぁどう進めても、ふたみ→此芽→傘になるので話の順序はどうでもいいです。 ただ、ふたみルートがあまりに素晴らしいく、それに続く此芽ルートもまけず劣らずなのに、傘ルートが若干それに劣るのが悲しいところ。 ギャグシーンも満載で、序盤第二OPが始まる前まではなかなか笑わしてくれる。 何より文章システムの使い方が上手く、一気にズバババっと流す点が工夫されている。 ただ、強いて言うならばRシーン時に真面目な話しをするのもどうかと。正直真面目に見てられん。 まぁRシーンさえ物語に組み込んだのはなかなか素晴らしいところか。 第二OPが始まるとシリアス一点で進むが、読み応えありすぎで飽きず。 やはり見所は、緻密な設定と、それを明かすときの文章の作り方だろうか。 あとは戦闘シーンが非常にカッコいい。 どこぞの魔法戦闘とは、恐らく比にならない。 また、多々の神話などの固有名詞が登場する点もいい。 「村正」や「手裏剣」、そのほかワルキューレの名前など多々ある。 それにまつわる歴史さえ利用しているのだから、圧巻。 萌えより燃えのタイプであろう。 前者を目的として買ったら、恐らく失望する可能性絶大。 読み応えがありすぎるので、文章慣れしていないと若干厳しい感あり。 ただ、読解できるともはや寒気が止まらない作品。 評価するのならば10は絶対に固いだろう。 是非プレイをお勧めする。 PR
|
|
|