まぁ分かるとは思いますが、超ヒット作ですね。
一度友達から借りたんですけど、その時は読む気力が無かったので読みませんでしたが、最近暇なので買ってみた僕こと蜻蛉です。
言うことはただ一つ。
あれはライトノベルじゃねぇ∑( ̄□ ̄;)ぜってぇちげぇ∑( ̄□ ̄;)
もはや文章が文学小説家となんら変わりは無かった・・・。
そしてあの独自の世界観というか、ものの見方というか、「奈須きのこ」ワールドが展開されるとはこういうことなのだと実感した。
伝奇ノベルなので、なんだか不可思議な現象を相手にした物語なのだが、もはや最強の理論と考察。
そして語彙の強さ。
さすが2004年度ライノベ1位なだけあり、非の打ち所が見られない。
強いて言うなら、背景移動が多くて面倒くさいのがたまに傷。
やはり「Fate/ stay night」や「月姫」のシナリオライターなだけあり、少々グロテスクな内容。
そして、現代小説にはなりえない理由の一つが、主人公たちが持つ特殊な能力。
魔法使いもいるので、現代小説にはなりえない。
だが、ローファンタジーとしては最強の世界観を誇り、その文章の巧みさと物語の構成は圧巻に値する。
だが、その語彙の強さあまり言葉が理解できない点もちらちらと見え、小学生には到底理解できないだろう。
そして、物事に理論をつけることによってその現象を科学的に証明し、物語に組み込んでいく。
何よりすごいのが、普通の人では気がつかないような心理の追求や、それに対する考察と結論。
グダグタした内容にならない、簡潔かつ臨場感のある戦闘シーンと、合間にはさむ日常。
個性あるキャラと、複雑な人間関係。
とらのあなで見た奈須きのこさんの新刊についていた発売文句、「やっぱりこの人は天才だ!」の意味が今なら分かったかもしれない。
これは、ライトノベルと呼んでいいものなのかが疑わしいほどの現代的なファンタジー作品である。
あれを読んでしまうと、ライトノベルが全て廃れて見えないことも無い。
あれがライトノベルの頂点に位置する作品なのであれば、恐らく二位との差は愕然のものであろう。
ギャグシーンもない。うだうだした恋愛情景もない。
あるのは、理論と殺人。
これこそが、本当の「小説」と呼べるライトノベルなのではないだろうか。
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