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鏡に写る我が醜貌 ver.0.11

深海の底では骸骨が嘲笑って、天上の月では兎が餅をついていた――――by蜻蛉
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06.17.00:13

矢島敦子「償い」レビュー

人生で初めて人にメッセを送った日です。

ああ、こういうとき、自分の性格を恨むよな……まったく頑固で仕方が無いわ。蜻蛉です。

私の身勝手な自爆特攻に強制的にお付き合いいただいてしまった光太朗さまに、ここでお礼と謝罪を申し上げます。
やっぱり持つべきものは語り合える仲だと思います。とても一方通行な仲ですが、あえて気にしないことにしました。失言に関しては本当に申し訳ないとしか言いようがなくてあれです。

しかしそれでも自重出来なかった自分が恨めしいorz

おおう、こういうことは人間関係の崩壊を招きかねないからガルド氏かリア友くらいとしかやらないんだがなー。
まったく、やけにネット上では尊大だと思い込んでるから困る……。


そういうわけで、レビュー(何

読解力、考察力が無ければ楽しめない小説ってのはもう、ダメなんじゃないかと思うんですよ。
いくら文学が「問いを残すもの」だとしても、読者のスキルを試すような作品はダメだと思うんですよ。

正直、感想は、微妙といったところでしょうか。

理論の形も、展開の突き詰めも、どこか足りなかった印象が強いです。それも、テーマがミステリという媒体に喰われたような気がしてならない。

確かに設定といい主人公のトラウマといい、登場キャラクターが残した「肉体を殺したら罰せられるのに、心を殺したら罰せられない」という言葉にも色々なことを考えさせられました。
作品中で一つの「結論」というのを出すことは、半ば厳禁ともされてますが、それでもやっぱり曖昧だったんじゃないかなーと思った。

登場キャラに、自称「人が泣いているのが分かる」という、やけに哲学ぶった少年がいるんですが、そのキャラクターの立ち位置もなんだか微妙。
結局彼のその特性はなんだったのかとか、「救われることが本当に救われることなのか」というテーマとか、色々曖昧だったと思う。


文学作品の問いというものが一体どういうものなのかと考える。

読者に問うということは、「あなたはどう思いますか?」ということなのだろうか。果たしてそれだけで作品としてのテーマが成り立つのだろうか。

「わたしはこのテーマについてこう思いますが、あなたはどうですか?」のほうが良くないか?と思うわけなんだが、どうなんだろうか。
後者は結局、そのテーマについて作者自身は一つの結論みたいなものを出してしまっている事になる。それは文学としてどうなのだろうか。

伊坂氏の「重力ピエロ」は、彼なりの「犯罪に対する理論」が垣間見れたのに対して、矢口氏の「償い」は、そのタイトルともなっている償いの意味もなんだか良く分からなかったし、肉体と精神云々の話も印象に薄い。

結局この作品を読んだ我々は、「償い」についてどう考察すれば良いのか、というのに路頭に迷う。
「生きていれば~~」のくだりが、あまりにも説得力に欠けてもいる。

犯罪や、死ぬことに対する「テーマ」は人それぞれで、それゆえに深く、曖昧なものでは満足できないのかもしれない。


人を殺せば、法で裁かれる。

人を知らず内に傷つけていても、法では裁かれない。

つまりはこのことなんだろうと思う。確かに、我々人間は酷く弱い生き物で、相手の心無い中傷で知らずうちに傷ついていることなど良くあることだろう。そこに意志があろうと無かろうとも、だ。
そうして傷ついて自殺していった人がいる。
では、そこに追い込んだ人間が何故裁かれないのか。

これがこの作品の、問いなのだろうか。

そして、この作品では、その結論を、最後のあの一文で片付けてしまったのか。

だとするならば、やはり微妙だと言わざるを得ないだろう。そんな慰めにも償いにもならないような言葉で片付けられるテーマではなかっただろうと思った。



ところで、この作品にも当てはまることだが、自分が作品を評価するにおいて、もっとも重要視する点がある。

いったいこの作品は、作中で「何がしたかったのか」。

ここで誤解されては困るのが、
「何を言いたかったのか」ということではない。

テーマあれば、作中でそのテーマに関連して最も盛り上がる部分があるはずだと俺は信じてる。
つまり作者が「このテーマで小説を書きたい」と思い、それに続いて「ならこういうことをすればそれらしくなるんじゃないだろうか」と考えたシーンが俺は一番美味しい部分だと思ってる。

それは葛藤の場面であれ、戦闘シーンであれ、文学的な語りであれ、様々だろうが、「読んで、この作品がこれをやりたかったんだろう」という部分が一番楽しみなのだ。

それが薄かったり、あまり関連性がなかったり、作中で昇華し切れなかった場合は残念ながら高評価にはなれない、というのが俺の一つの評価の仕方。

だって、そこに作者の想いってやつが一番詰まってるだろうから。見るとしたらそこしかないだろーと。
テーマを深く表現するよりも、そういう部分に力を入れて楽しませてくれる作品が好き。ていうか、テーマってのも普通ならそこに詰まってるもんだろうな。

まあ、ガルド氏には何度か言っただろうが、やはり作品のすべての中心となるテーマはその「やりたかったこと」に集結しているんじゃないかと。
うーん、これも人それぞれなんだろうけどなー。


そういえば、この「償い」を読んで、横山秀夫の「半落ち」を思い出した。
あっちは確かレビューしたときは「太鼓判まであと半歩」だった気がする。なんだかんだで良い作品だったし。


やー、しかし、
ボクっ子だとかネコミミだとかほざいてる人のブログじゃ見えなくなってきたなーこれ。


コメレス。

>nicoさま

ファンタジーに使えそうな知識しか無いです!

はい、中二病的な部分しか分からないので、星との関連の知識が無い!でも、聞いたことだけはある!それだけ!

中国……出てきたろうなきっと。印象はインドが一番強いですが。
ちょろっと立ち読みしてみてはいかがかと。かなり好みの分かれそうな本なので。

ワン……ピース、だと……?

青いけど、ワンピースって書いてました。

ていうか女性の私服ってワンピース以外シラネ。形状は想像できても名前が分からないものが多すぎる……。いや、男性のものだってそんな知ってるわけじゃないですけど。

いやしかし、情報提供ありがとうございます。なんとなく形が定まってきました。
ていうか、前にもこんな記事を書いた気がするようなしないような……。


明日より三日、蜻蛉は賢者モードに入りますゆえ、「へんじがない、ただのしかばねのようだ」になります。

ブログはもろに更新しますが(ぇ

追記。

らっぷびと氏のブログにて、CDの新曲が視聴できるようになりました。

ちょっと買う気が出てきたかも……。

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正論ですね。

今回の話は、今までで一番勉強になりました。(マニアックなコトは、今まで沢山学びましたが)
これ、胸に入れとかないといけませんね…。
[償い]をみたことないから、あまり多くの感想は述べません。ありがとうございました。

  • 2008年06月17日火
  • 国後旺
  • 編集

う……っ

それではじめて企画に出て欲しかったです。なんて残念な(笑

初メッセすか! すごい! アツイメッセが届きましたよ、ありがとうございます。アツくもないメッセが返信されていると思います(笑
いや、もうメッセの内容が深すぎて、ほええええ、という感じでした。テキトー感溢れる人間にて申し訳ないような気すらします。
蜻蛉さまをずっと見上げていたつもりなので、語り合える仲、とかいっていただけてしまうとくすぐったいですね>< よろしければガンガン語り合いましょう! そう、例えばハガレンについて(ガンガン。

そんなわけでメッセ大歓迎です。
ありがとうございました。
記事の冒頭のちょこっとにがっつり食いつくコメントすみません;

ハガレンネタの際には

自分も仲間に入れてください。(。・"・。)ノ
ホーエンハイムさんがテーマの時は、特に。
コメに食いつく藤夜でしたw

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