11.22.23:01
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07.15.00:22
ああ、やっぱこいつはエンターテイナーだな。
伊坂五作目は「グラスホッパー」です。蜻蛉です。 圧倒的な悪が織り成すハードボイルド、みたいな感じですかね。男気ってやつに惚れる作品でした。 ある意味ではミステリーでもいいんだけれど、やっぱエンタメだよなこの人。重力ピエロも文学チックではあるけれど、見方を変えればやっぱりエンタメだと思うわけだし。 今回は「クジラ」「セミ」「押し屋」と呼ばれる三人の殺し屋と、鈴木という復讐者が複雑に絡み合うストーリー。 押し屋の真相には「ええー」とか思ったけど、やっぱね、カッコイイ。 おいおい、ミステリ作品にカッコイイは無いだろうと思うだろうけど、カッコイイ。 これはハードボイルドだww ■キャラについて。 やっぱり思うのが、各キャラクターが何らかの信念的な言葉やものを持っているというのは、それだけで個性になりうるということ。 鯨は「ドストエフスキー/罪と罰」しか読書したことが無く、よくその引用文を出す。 蝉は昔見た映画で「操り人形にされていた青年の話」に影響されている。 鈴木は無くなった妻の言葉を信条としている。 などなど、各キャラクタがそれぞれ信条とするものを持っているので、なんと濃いことかと。 ていうかある意味では鈴木の妻が一番濃かったんじゃないだろうかw 「バイキングは一対一の勝負ですから」 名言だろどう考えても。しかも腹痛起こしてフラグ成立とか、なんとユニークな。 現実味、という意味合いでは、例えば自分の作品を例に出して、「セルフ」中ではキャラクターが同じような言葉を何度も繰り返すが、あんまり「リアル」とは言えない。 純文学的な意味合いではもしかしたらちょっとばかしクサイ表現方法なのかもしれないが、やはりエンターテイメント小説を書くにおいては、この技法は超がつく有効方法ではないだろうかと今回考える。 座右の銘、っていうのと似てる。 以前「キャラクターの個性とは、その個人の持つ信条にある」と誰かに説いた気がするんだけど、そんな感じ。 あとはやっぱり強烈なセリフ。 グラスホッパーで言うと、蝉の「おまえ、人としじみ、どっちが偉いか知ってるか?」が一番印象的だったが、このくらい「はぁ?」と思わせても強烈なイメージの残る言葉がきっと必要。 伊坂はそういう点、「ユニークなジョーク」を会話の重点においているのか知らないが、ほか作者よりも作中で生まれる名言が多い気がする。 「オーデュポンの祈り」で生まれた、伊坂の作品に度々登場する「神様のレシピ」という運命論を肯定するような言葉があるが、きっとこれはもう伊坂の代名詞的なあれにもなってるだろうと思う。 どいつもこいつも強烈なんだよな。 ラノベ愛好家の中にはきっと、「一般書籍は無個性」だとか思っている人がいるだろうけど、伊坂読んだらきっと認識変わる。 読むべき。 ■伊坂! 大袈裟に言うと、現在の俺の目標の一つとして伊坂はある。 会話がね、マジで良いの。「星逢」を会話重視にしたのも、こういう伊坂みたいな文章に挑戦したかったからってのもあるわけなんだよ。 目指すのは、 作風→西尾 文章→? 会話→伊坂 物語→るーすぼーい みたいな感じか。 ああー、いいよ伊坂の会話スキル。めっちゃ奪いたい。 いいもんね、ぜってぇ習得してやっから。 ■ほか セルフの世界観に依存したい俺(オイ 受験シーズンなので、流石に再構成とかしませんが、やっぱなんだか、最初で最後の作品だよねこれ。 罪人の涙は「本気用」にセルフ世界観から外す(つまり灰田君シリーズでなくなる)予定だからなあ。 一応、息抜き程度に短編やりたいなーとか思ってます。 夏ホラーとか参加できなかったんで、適当にそんな感じのやつこしらえときましょうか。 追記。 灯月さま。 作品評価のほうをメッセに送りましたので、ご確認ください。 コメレス >ゴシカン 少なくとも俺も…… いや、俺はまだヲタクか。ていうか抜ける気ないしな俺はww想像の世界の産物に生きる男です。 タユタマは良作の臭いがするぞー。ようぜん曰く「アメリは微妙」らしいが。まあ、俺も半ば同意見だが。あの金髪姉ちゃんの声優が伊藤静だから……。 ところで俺のケータイの150件の二次元画像がお前から送られてきた件は、二次元卒業と関係しないのだろうか。 ああ、確かに9割東方だがなw 明日も伊坂祭りだよっ!! PR
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伊坂さんの小説が、とある経緯でどっさり手元に流れ着いております。せっかくなので読もうと「重力ピエロ」(以前紹介されてたので)を手に取ったんですが……──
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