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鏡に写る我が醜貌 ver.0.11

深海の底では骸骨が嘲笑って、天上の月では兎が餅をついていた――――by蜻蛉
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10.18.20:03

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06.01.11:39

何をしているシーンかな?

―――そこは戦場。

散る火花は、由真と九条の間に色を持って存在していた。二枚の切り札を構え、睨みあう二人。その場に居合わせることは、名の轟いた武将の一騎打ちに割り込むのと同意味。武士の語らいに第三者の介入は既に不可能の領域。

まず一閃。九条の手が由真の手に伸びた。真っ二つに切り裂いた空間で手にしたのは相手の手駒。だが、それは求めるものではなかった。軽く舌打ちが飛ぶ。

後手に回った由真は、相手に考える隙を与えない。手にした手駒を陣地へと隠す前に、由真の剣戟が横薙ぎに走った。そして掴んだのは、またもやダミー。落胆する由真は、急いでそれを欺く工作をかける。

繰り返される一騎打ちの鉄の火花に、傍観に回った男二人は身を震わせていた。

これが、命を懸けたゲームなのだと。

奪い合う二人の目付きは既に殺し屋の目。相手を射抜き、見通し、次の一撃にて決着をつけようとする本気の戦い。

「くっ・・・」

日比谷の喉に唾が音を立てて嚥下されていった。汗が滲み出てくるのが分かる。これは威圧の空間。その場にいる資格があるのは、いかなる状況においても勝利だけを見据えた者のみの領域。日比谷はその中には含まれなかった。

「これは・・・」

新谷の身体が震えた。これを傍観できた事が、歓喜に値するほどの両者の均衡。力と力がぶつかり合い、その度に笑みを漏らす、戦いを愉しむ武芸者の試合。言葉は武器を用いて、決意は意気を用いて、結果は勝敗を用いて、ただ自らの満足のために戦うもの。

走る稲妻は交錯し合い、毎度のように相手の仕掛けたダミーを焼き尽くす。

苦悩の表情が二人に浮かんだ。これ以上長引かせることは、すなわち根気と精神のぶつかり合いになる。長期戦は望めない。

先手にある九条が、カッと目を見開いた。

(左、右。見極めなさい。あたしなら見えるはずよ、相手の手の内が)

九条の背の後ろに、覗くように龍が現れた。火炎をその猛る牙の隙間から噴かせ、紅い魔性の眼光は由真をそのテリトリーに置いた。

そして、龍が長身を伸ばしてその場を咆哮と共に駆けた。

「もらったぁぁぁ!!」

が、掴んだ瞬間に九条の表情に亀裂が走る。

由真は不敵に笑った。九条が見ると、龍の牙が捉えたのは不気味な嘲笑を浮かべた道化の姿。

(かかりましたね。この私の一手で、必ず決めて見せますっ!)

由真の背の後ろに、威嚇を振りまく虎が現れた。怖気づかせる巨体は、逆立った毛で覆われ、今にも襲い掛かりそうな狂気の沙汰。鋭く光る象牙色の牙からは、獲物を狙う熱い吐息。

そして、虎が爆発するような跳躍で九条に襲い掛かる。

対峙したのは龍虎。

巻き付きその灼熱の炎で灰燼と化そうとする龍と、岩すらも噛み砕く強靭な牙でその体を貫こうとする虎。

「これで、終わりです!」

虎は龍の束縛を切り抜け、天高く飛び上がってその脅威を撒き散らした。

―――そしてその牙は、ついにキングを捉えた。



次話更新分の内容ですが、ネタバレ。

そして問い。

何をしているシーンでしょうか?

友人には若干悩ませて答えられたので、普通に分かるとは思いますけど。
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